― LEDの特徴 ―
LEDはLight(光る)+ Emitting(放つ)+ Diode(ダイオード)の頭文字を取った、発光ダイオードの略語です。電気を流すと発光する半導体の一種で、長寿命・省エネ・小型軽量など、白熱電球や蛍光灯にはない特徴があります。共立電照は、LED照明器具の製造を通じて、脱炭素化社会の実現やSDGsの達成に貢献しています。
LEDの寿命は約60,000時間(最大90,000時間)です。白熱電球の約60倍、蛍光灯の約9.75倍も長持ちします。
LEDの消費電力は白熱電球の約6分の1です。二酸化炭素排出量を削減でき、電気代の抑制にもつながります。
蛍光灯などに含まれる水銀を使用しないので、環境にやさしいのも特徴のひとつです。
LEDの光は紫外線・赤外線を含みません。そのため、衣類の色あせを心配する必要がないほか、熱に弱い食品を照らすのにも安心して使うことができます。
1993年の青色LEDの開発、1996年の白色LEDの開発により、LED照明は私たちの身近な存在になりました。街路灯や信号機などはすでに一般的になっています。体育館や競技場などのスポーツ施設、工場やオフィス、ガソリンスタンドなどにも導入されているほか、家庭でもリビングの照明や懐中電灯などさまざまな「光」にLEDが使われています。
LEDは照明のほかにも、通信、医療、植物栽培などさまざまな分野での活用が期待されています。未来を照らす光でもあるのです。
次世代型の農業として注目を集めているのが植物工場(水耕栽培)です。高段密植による栽培を行うため、至近距離から均一に照らす必要があり、従来の照明とは異なる機能が求められます。
株式会社共立電照は、宮崎大学農学部と共同で自社工場内に実験場を設け、水耕栽培を行っています。
地域貢献を目的とした、食糧自給率の向上や農業振興、雇用創出の可能性を見出すための取り組みです。
重要なインフラのひとつである照明は、災害時などに停電すると消えてしまいます。株式会社共立電照は、太陽光発電を活用したソーラー蓄電システム一体型のLED照明を製造しています。これにより、例えば夜中に大地震が発生し停電した場合でも明かりが灯るので、避難場所の向かうときの安全性が向上します。近年、自治体の指定避難所や津波避難タワーなどで防災・災害対策のため、ソーラー蓄電システム一体型のLED照明導入が進んでいます。
危険を回避するための防犯灯は、人や物をすぐに確認できる明るさが必要です。防犯灯の明るさは、生活道路としての重要性や歩行者の交通量により「クラスA」と「クラスB」に区分されており、少なくとも「クラスB」の明るさを確保しなければなりません。
(一般社団法人 日本防犯設備協会)。
クラスA
・水平面照度 5ルクス(平均値)
・鉛直面照度 1ルクス(最小値)
クラスB
・水平面照度 3ルクス(平均値)
・鉛直面照度 0.5ルクス(最小値)
平成19年9月に「道路照明施設設備基準」が改訂されました。これは視環境の確保と道路交通の安全・円滑を目的とした基準で、路面の輝度や均斉度などを定めた性能規定が導入されています。
平均路面輝度の基準
道路分類 | 外部条件A | 外部条件B | 外部条件C | |
高速自動車国道等 | 1.0 | 1.0 | 0.7 | |
- | 0.7 | 0.5 | ||
一般国道等 | 主要幹線道路 | 1.0 | 0.7 | 0.5 |
0.7 | 0.5 | - | ||
幹線・補助幹線道路 | 0.7 | 0.5 | 0.5 | |
0.5 | - | - |
A道路交通に影響を及ぼす光が連続的にある道路沿線の状態
B道路交通に影響を及ぼす光が断続的にある道路沿線の状態
C道路交通に影響を及ぼす光がほとんどない道路沿線の状態
輝度均斉度/総合均斉度0.4以上を原則とする
視機能低下グレア/相対閾値増加を原則として下表の値とする
相対閾値増加(単位%)
道路分類 | 相対閾値増加 | |
高速自動車国道等 | 10以下 | |
一般国道等 | 主要幹線道路 | 15以下 |
幹線・補助幹線道路 |
局部照明(交差点)
交差点の照明は、平面交差する道路部分である交差点内および交差点付近の状況が分かるようにする必要があります。
また横断歩道がある場合は、歩行者等の見え方が交通事故防止には特に重要であるため、横断歩道と歩行者等の待機場所(1m程度)までを含む範囲を交差点内と考えます。
交差点の明るさは、平均路面照度20lx程度かつ照度均斉度0.4程度(路面上の最小照度を平均路面照度で除した値)を確保することが必要です。また、車両や歩行者等の交通量が少なく周辺環境が暗い交差点においても、平均路面照度は10lx以上を確保しなければなりません。
なお、交差点内の横断歩道上の平均路面照度は、交差点内と同程度の値を確保することが必要とされています。
水銀が健康や自然環境に与えるリスクを低減するための包括的な規制を定める「水銀に関する水俣条約」が国連環境計画の外交会議で採択・署名されました。この条約により、一般照明用の高圧水銀灯は、水銀の含有量にかかわらず製造・輸出・輸入が2021年から禁止となりました。
国内の水銀灯は生産が終了しました。LED照明は水銀灯と比較し、消費電力は30~40%、寿命は約5倍です。早めの切り替えをおススメします。
LEDの消費電力は、白熱電球の約20%、蛍光灯の約30%、水銀灯の約25%ほどになります。また、寿命は4万~6万時間で、ほかの明かりに比べて格段に長寿命と言えます。
世界各国では、電力消費量の削減に努め電力不足を解消しようと、街灯や信号機のLED化が進んでいます。西欧諸国では、消費電力が高い白熱電球を廃止する動きもあります。国内でも、最も省エネ性能が高い照明として、LEDの普及が進められています。
LED照明 | 白熱電球 | 蛍光灯 | 水銀灯 | |
光源寿命 | 約60,000時間 | 1,000~2,000時間 | 6,000~12,000時間 | 12,000時間 |
LED照明による人体への健康被害はほとんど報告されていません。ただし、LED照明に含まれるブルーライトは、目の疲労や生体リズムへの障害が懸念されています。日常生活においては、LEDの光を直接、長時間見ることは少ないので、過度に心配する必要はありません。パソコンやスマートフォンを長時間見る場合は、ブルーライトカット効果のある眼鏡を使用することなどで対策できます。
なお、LED照明は紫外線が少ないためあまり虫が寄ってこないという効果のほか、蛍光剤や水銀などの有害物質が含まれない、電磁波が少ないなどのメリットがあります。